学園積木
（木箱入り・車付き）

■ 球に着目した積み木
■ 独自の色彩感覚
■ 着色場所のこだわり

学園積木（木箱入り・車付き）

■基尺　6ｃｍ（球Φ6ｃｍ　立方体6×6ｃｍ）　34ピース
■素材　ぶな
■日本製

■ 球に着目した学園積木

積み木といえば四角や三角が主流です。
ところがこの学園積木は球の大きさから基尺が出来ました。
直径6ｃｍ。子どもが握るとちょうどりんごやミカンを想像します。

なぜ球からスタートしたのでしょう

赤ちゃんが一番最初に目にするものはみな、球か丸。
お母さんの瞳も顔も、乳房もみな丸です。
当然興味を持つものも球体であって不思議ではありません。
自然界に立方体なんてめったにありませんから・・・

このあたりに、ヨーロッパの積み木との違いを感じます。
「神からの恩物」というフレーベルの思想からではなく、
子どもの生活を観察し、独自の視点から製品を生み出す自由学園生活工芸研究所らしい製品です。
子どもが握るとちょうどりんごやミカンを想像する大きさ、【直径6ｃｍ】が誕生したのです。


球に対する工夫

球は一箇所穴が開いていて、【転がすことも、静止させることもできる】ようになっています。
他社のもので一箇所平らに削ってしまっているものを見かけます。
しかし、球としての輪郭に違和感があって、あまり気持ちの良いものではありません。

■ 学園積木独自の色彩観

「学園積木」の特徴は色の付け方にあります

私の知る限り、こんな凝った着色の仕方をしている積み木は見たことがありません。
色付きなら全面塗ってあるのがポピュラーです。
また、赤青黄緑という色が一般的なのに対し、白があるところも面白いところです。

当時の開発者談話の中に
「白は他の色を引き立たせる重要な役目がある」というくだりがあり、
フランクロイド・ライトの校舎に学び、ヨハネス・イッテンの美術教育に倣っていた
自由学園の美術教育が現れているところかもしれません。

■ 着色場所のこだわり

なぜ側面だけなのでしょう

これについてはいろいろな意見があると思います。
ある方向からみれば色が付いて見えますが、違う方向から見れば白木。
色を見せることも、隠すこともできます。
大人の理由付けはさておき、子どもたちはこの積み木の色をどのように扱っているかといいますと、
実に興味深いものがあります。


白木に色をつける感覚

円柱や球をのぞいて、色の付いている面積の方が白木に対して少ないので、
あくまで白木の積み木で遊ぶ感覚です。そして作ったものに色を塗るように塗装面を見せます。
お城を作って、門のところだけ色を正面に向ける、前から見ると色とりどり、
横から見ると白木のお城になるわけです。

形の面白さに気が付く

三角の側面は長方形であることを、円柱を横から見ると正方形であることを
遊びの中で発見し、理解してゆきます。
立体の面の構成は子どもたちにとって発見にあふれています。